+Yギャラリーでは2017年11月4日(土)より大森博之の個展を開催いたします。大森博之(おおもりひろゆき)は1954年栃木県に生まれ、79年に筑波大学大学院彫塑専攻を修了。関西では初めての個展になります。 その彫刻は粘土を手で形作ることから始まります。そのようにして作られた形は石膏に写し取られ、蜜蝋の薄い光を纏い彫刻として立ち顕れます。石膏以外にもブリキ板などの薄い素材を組み合わせて用いたり、他にも平面作品として油彩、版画やドローイングなどを制作しています。言葉にしがたい感覚や形、その記憶が手(彫刻)や筆(油彩)、鉛筆(ドローイング)などを通して生み出される過程の逡巡するような愉楽。そして、そこから次元をすり抜けて行くような感覚がこの作品たちに魅了される理由なのかもしれないと考えています。今回は石膏の彫刻とともに油彩の新作、合わせて約16点が並ぶ予定です。ぜひご高覧ください。
+Y Gallery
<『大森博之 展』 出品概要>
出品内容 彫刻(石膏蜜蠟/石膏蜜蠟油彩/レリーフ/セラミック作品など)約10点
油彩画 約6点 ……以上、彫刻と油彩合わせて約16点を予定
『背後の手前』 2017 oil on canvas F4
Artist's Statement
「背後の手前」
私の作品の多くは粘土で塑像した量塊を石膏に移し替え表面に蜜蝋を塗布した彫刻である。石膏の起伏や襞は手が柔らかな粘土を練り込み掻き削り押し撫でた痕跡である。現実の光は半透明な蜜蝋の層に澱みわずかに反射している。ヴィジョンは私の記憶が手と粘土石膏蜜蝋とまぐわううちに物質に溶けて消えていくことの快楽に関わっている。そもそも私の記憶は紛い物で類型化したイメージであるから彫刻の口実あるいは囮である。手と物質が囮に群がりイメージが崩れところどころ物質の肌理が表れている。つねに手前では何ものかが接触し合っていててらてらと襞を濡らしていると同時に見えない背後の断層に落ちていくのである。
大森博之
大森博之 OMORI Hiroyuki
1954 栃木県生まれ 1979 筑波大学大学院修士課程芸術研究科彫塑専攻修了
【個展(2000年以降)】
2000 なびす画廊(東京)(‘91,’93,’98,’00,’03,’06,’09,’11,’14,’16)
2004 鶴見画廊(神奈川)
【グループ展(2000年以降)】
2004「ディスタンス−栃木県出身作家の現在-」(栃木県立美術館/栃木)
「第19回平行芸術展 −彫刻は自分の半身を取り戻す−企画:峯村敏明」(小原流会館/東京)
2005 「2月のおくりもの」(なびす画廊/東京)
「大森博之+野沢二郎」(Takashi Saitoh Gallery/茨城)
2006 「大森博之+橋本倫 2人展」(鶴見画廊/神奈川)
2007 「プライマリー・フィールド美術の現在 −七つの<場>との対話」(神奈川県立近代美術館・葉山/神奈川)
2008 「ラディカル・クロップス プレ展」(exhibit Live&Moris/東京)
「DE MYSTICA〜召命〜」(ギャラリーアート・ポイント/東京)
2009 「DE MYSTICA第2回展 −”アート”全盛期における”美術”−」(なびす画廊/東京)
「『ミュージアムズ・チョイス この一点』コレクション展Ⅲ」(栃木県立美術館/栃木)
2012 「光あれ!−光と闇の表現者たち」(栃木県立美術館/栃木)
2013 「版画天国」(なびす画廊/東京)
2014 「版画天国II」(なびす画廊/東京)
2016「80’s展 享楽と根源」(+Y Gallery/大阪)
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〒540-0012 大阪市中央区谷町1丁目3-27 大手前建設会館306
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